運動だけでは痩せない!鍵は「NEAT」にあり
「運動すれば痩せる」は、もはや過去の常識。有酸素運動や筋トレをしても、実際の消費カロリーはそれほど多くありません。そのため、「ジムに通っているのに体重が落ちない」と悩む人も多いでしょう。そこで重要になってくるのが「NEAT(ニート)」という考え方です。
NEATとは、「非運動性活動熱産生(Non-Exercise Activity Thermogenesis)」の略で、運動とは別に日常生活で消費されるカロリーを指します。たとえば、掃除や洗濯、買い物といった日常の動作はもちろん、ガムを噛む、貧乏ゆすりをする、キーボードを打つといった細かい動きもNEATに含まれます。
NEATがもたらす驚きの消費カロリー
NEATの研究をしているジェームズ・レビン博士によると、現代人の肥満や健康状態の悪化は、インターネット中心のライフスタイルがNEATを奪ってしまったことが大きな要因だといいます。彼の研究によれば、NEATの減少によるエネルギー消費の損失は、1日に1,500〜2,000kcalに達することもあるそうです。
参考までに、ジムで1時間運動しても消費カロリーは平均1,300〜1,500kcalほど。つまり、NEATが多い人は運動なしでも2,000kcalを消費しており、いかに日常の活動が重要かが分かります。
50年前の人は「運動」なしでも太らなかった
レビン博士はこうも指摘しています。
「50年前にはジムなどなく、当時の人々はほとんどエクササイズをしていなかった。それでも肥満に悩む人は少なかった。彼らは意識せずに体を動かし、努力なしに体重をコントロールしていたのだ。」
これは、現代人のライフスタイルとダイエットの考え方が根本的に間違っていることを示唆しています。狩猟採集民も特別な運動をしていたわけではなく、ただ日常的に体を動かしていただけなのです。
今日からできるNEAT向上のコツ
では、どうすればNEATを増やせるのでしょうか?簡単にできることをいくつか紹介します。
- エレベーターやエスカレーターではなく階段を使う
- こまめに立ち上がってストレッチをする
- 近距離なら車を使わず歩く
- 家事を積極的に行う
- 通話中は立ったり歩いたりする
- テレビを見ながら軽い運動をする(足踏みなど)
NEATを増やすことは、特別な努力なしにできる健康習慣です。「運動しなきゃ…」と焦る前に、まずは日常の活動を意識して増やしてみませんか?